混沌解消を具体例で理解する

前回は、『同種の物をまとめる』ことに焦点を当てた話をした。

・混沌が探し物を難しくしていること
・まとめることがその有効な解決策になること
がポイントだったな。
　
イメージ図による、やや抽象的な説明だったが、今回は、具体的な例で、実際に混沌解消をどのように行っていくのか、その内容と効果を見ていきたい。

部屋の中には様々な混沌が存在するものだが、
『同種の物をまとめる』ことによる効果が大きいのは、どういった物なのか。

それは、
『見た目が似ていて数が多い物』や、
『何度も同じように探してしまう物』だ。
　
例えば、
・文具や釘・ネジなどの小物
・ケーブル類
・書類
・レシートやメモのような紙
　
こういう物だな。

それでは、まとめる実例として、
『ゴチャゴチャになったケーブル類』を分類してまとめ、混沌を解消する例を見ていく。

いろいろなケーブルがグシャッと入っている、混沌とした状態だ。
この状態から必要なケーブルを見つけ出すのはなかなか大変だ。前回話したように、『ウォーリーを探せ』的な作業をやることになる。

このケーブル類を分類してまとめることで、混沌を解消する。

まず、ケーブルを全部出す。
そして、種類ごとに分類する。

この例では、
・電源の延長コード類
・USBケーブル
・スマホの充電ケーブル
・LANケーブル
・オーディオ系のケーブル
・ミニUSBケーブル
・その他のケーブル
　
に分類している。

分類したそれぞれを、容器に入れる。

容器には、ジッパー付きビニールバッグを使っている。
ビニールバッグには多様なサイズがあるから、何種類も持っていれば、ピッタリくるサイズの物を選ぶことができる。
この例ではケーブルを入れるため、やや大きめのビニールバッグを使っている。

元の容器に戻す。

これで完了だ。

いろんな物がたくさんある混沌とした状態から、同種の物でまとめて秩序が作られた状態になっているから、探し物で苦労をすることはまずないだろう。

例えば、スマホの充電ケーブルを探すときには、『充電ケーブルのビニールバッグ』を取り出して、その中から選べばいい。

混沌はこういう手順の整理で解消できる。

この例では行っていないが、ビニールバッグに『LANケーブル』とか『USBケーブル』のようなラベルを貼れば、ケーブルの種類がよりハッキリとしてわかりやすくなるだろう。

パッと見でどの種類が入っているか判別できるようであれば、特にラベルを貼る必要は無いけどな。

ああ。それをやる場合は、一度ビニールバッグに分類した物を、その中で、さらに分類する。

例えば、LANケーブルの袋の中身を、さらに『短めの物』、『中ぐらいの物』、『長めの物』に分類する、とか、
オーディオ系ケーブルの袋の中身を、さらに種類ごとに分類する、とか、
そういうことだ。

では、『LANケーブルをさらに長さで分類する』場合の実例を提示しよう。

LANケーブルのビニールバッグを取り出す。

長さで分類し、それぞれをやはりビニールバッグなどに収納する。

そしてこの３つの袋を、もとのLANケーブルの袋に戻す。
袋が『入れ子』の形になる。

こういう分類は、必要に応じてやればいい。
利便性が向上するようであれば、やる価値があるだろう。

例えば、袋に入っている物の個数が多くて物を探すのが困難、といった場合ならやったほうがいいかもしれんな。

今提示した、『LANケーブルをさらに長さで分類する』実例だが、実はこの例の場合、ケーブルの数がそこまで多くないから、本来、ここまで分類する必要は無い。
ここまで細かく分類せずともLANケーブルを探すのに苦労はしないだろうからな。

むしろ、袋が入れ子になった分、ケーブルが取り出しにくくなってしまっている。
そういう弊害もあるから、利便性のバランスを考えてどう分類するかを決めればいいだろう。

まとめるのに使う容器としてオススメなのが『ジッパー付きビニールバッグ』と『クリアファイル』だ。
紙や薄くて平らな物にはクリアファイルを使い、その他の物にはジッパー付きビニールバッグを使うといい。

ジップロックに代表されるジッパー付きビニールバッグは、サイズが豊富にあって安価なことが特長だ。
あらかじめ、いろいろなサイズの物を用意しておくといいだろう。

口をしっかりと閉じることができるので、中身が簡単にはこぼれない。
その上、中の空気を抜いて閉じれば、かさばらない。

そして、透明だから中身が一目でわかる。
この、『パッと見で中身がわかること』が物を管理する上でとても重要なポイントだ。

レジ袋はオススメしない。
　
口が閉まらないから、物を入れた後に、グルグル丸たりするだろ？
そうすると、かさばりやすいし、なにより、中身がパッと見でわかりにくいんだ。
ビニールを開かないと中身が確認できないようでは非常に使い勝手が悪い。
特にビニールに色がついているものは中身が見えないから良くないな。

紙類をまとめるグッズはいろいろあるが、クリアファイルを使うのがいいだろう。

なにより安価で入手できるのがいいところだ。
10枚入りで100円ぐらいの価格で売られているから、多めに買っておいても損は無いだろう。

A4のような紙だけでなく、レシートやクーポン、チケットのような物をまとめるのにも使える。

もちろん、ビニールバッグやクリアファイル以外の容器に入れてもいい。
より適した容器があればそれを使えばいいだろう。

たとえばネジのような小物であれば、こんな容器のほうが管理しやすいだろう。

適した入れ物がないようであれば、ひとまずビニールバッグを使えばいい。
後日、100円ショップなどで良い入れ物を見つけて手に入れたら、それに入れ替えればいいだけの話だ。

部屋の中を見回してみるといい。

しょっちゅう探し物をしている場所、とか、利便性が悪い場所、のような、悩みの発生源となっている混沌が見つかるだろう。
その悩みは、発生源の混沌を解消することでなくすことができる。

多少手間はかかるかもしれんが、その価値は十分にあるのではないか？

まずは、簡単にできそうなところや、労力に対して効果が大きそうなところからやってみればいいだろう。
やってみて効果が実感できたら、他にもやっかいな混沌がないか探して解消する。そうして部屋の中の混沌をつぶしていけばいい。