シンプルライフの魔人

汚部屋住人である青年とシンプルライフを説く魔人との対話。

カオスからシンプルへ

更新日:

混沌によって気力が失われる

魔人
カイワレ。
汚部屋に住んでいると、こんなことを感じることはないか?
魔人
部屋の中のゴチャゴチャとした部分を見ると、それだけで疲れてしまい、やる気が起こらず物事が前に進まなくなる。とか。
魔人
引き出しを開けて中身がごっちゃりしているのを見て、「うわぁ・・」といってそのまま引き出しを閉める。とか。
カイワレ
そりゃ、もちろん、ありますよ。
あるというか、もはや、常にそんなような状態なのかもしれませんけど。
カイワレ
面倒くさそうな物を見たときって、誰でもそういう反応になるんじゃないでしょうか。
魔人
そうかもしれんな。
 
ウォーリーを探せをやっているときのことを考えてみればわかることだが、
混沌な状態とまともに対峙しようとすると、脳には重い負荷がかかる
一度に認識する物の数が多くて、把握が困難だからだ。
魔人
要するに、こういうゴチャゴチャした状況をどうにかする、というのは、脳にとってかなりの重労働なんだ。
 
だから、人間には混沌とまともに向き合うことを避ける傾向がある。
脳が考えることを拒否する、というイメージだな。やる気がそがれる。
カイワレ
うわー・・。なんだかすごくわかる気がする・・。
カイワレ
そうか!
いつもやる気が起きないのは、自分の性格のせいだと思っていたけど、実はそれは汚部屋のせいだったのかもしれない、ってことですね。
魔人
・・汚部屋にしているのはお前自身なんだから、なんにせよ結局はお前のせいだけどな。

 

魔人
・・で、混沌への対処を避けていると、結果的にどうなるか。
物事が前に進まなくなってしまうよな。
混沌とした状態がそのまま続く。いやむしろ、時間とともにさらに悪化してしまうことが多いだろう。
 
・・そうやって、汚部屋化が進んでしまう。
魔人
ゴチャゴチャな状態というのは、目に入るだけで嫌悪感を感じるものだ。見ているだけでウンザリする。
そして、それを対処することを避けがちになってしまって、状況が改善しない。
こういうふうに、悪い傾向を生んでしまう。

 

表面上の物の数を減らす

魔人
ところで、前回説明した、ケーブルの混沌を解消する実例を思い出してほしい。
魔人
ゴチャゴチャになったケーブルを種類ごとに分類して、それぞれをビニールバッグに入れたよな。
カイワレ
ええ。

魔人
で、このケーブルの例で注目してほしいのは、物の個数だ。

 
魔人
最初のカオスな状態では、数十本のケーブルが絡まっていた。
それが、ビニールバッグでパッケージ化することによって、表面上の個数がたったの7個になっていることに気付いてほしい。

表面上の個数が減る

魔人
もちろん、ケーブルの総数そのものは変わっていないのだが、パッケージにすることで、『表面上』、7個の物に置き換わっている。
カイワレ
ああ、7個ってそういうことですか。
魔人
このことによって、ケーブルが劇的に扱いやすくなってスッキリしている。
魔人
例えば、このケーブルを入れている箱を掃除しようと思ったときは、
7個のパッケージをサッと取り出せば、それだけで箱が空になるから簡単に掃除できる。

ケーブル類の箱

魔人
また、例えば、オーディオの配線をしたいと思ったときには、
オーディオ類のケーブルのパッケージ一つだけを取り出して持っていけば済む。

オーディオ類のケーブル

魔人
こういうふうに、すごくシンプルで扱いやすくなっているだろ?
魔人
そして何より、どんな種類のケーブルがどのくらいあるのか、劇的に把握しやすくなっている。
ケーブル探しで苦労することは、もはや無くなるだろう。
魔人
さて、表面上の物の個数が減ったのがなぜかというと、ビニールバッグのような容器に入れることによってパッケージ化されたからだ。
魔人
この、『容器に入れる』というのが重要で、たとえ種類ごとに分類したとしても、分類した物を何らかの容器に入れなければほとんど意味を成さない。
魔人
例えば、ビニールバッグに入れずに、分類したケーブルを単にそのまま箱に戻したとしても、結局ぐちゃぐちゃになってしまうだろ?
『入れ物を使ってパッケージ化する』というところが大きなポイントであることをわかってほしい。

 

物の数を減らせば事態は動き出す

魔人
ここで話題を最初の話に戻そう。
魔人
ゴチャゴチャした状態というのは、見るだけで気力をそいで、その対処を避けがちになる、という話だったな。
カイワレ
でしたね。
魔人
では、混沌とした状態にはどう向き合えばいいのか。
魔人
混沌に対処するための基本方針は、『物の数を減らすこと』だ。
魔人
数を減らすことが出来さえすれば、それはもはや混沌ではなくなる。
混沌をそのままの状態でどうにかやっつけようとするから苦労するのであって、もっとシンプルな状態に変えることができるのであれば、もはや恐れる必要はない。
魔人
では、物の数を減らすにはどうすればいいか。
カイワレ
減らすってことはやっぱり、物を捨てていくってことでしょうか?
魔人
『不要な物を処分する』のが基本ではあるが、方法はそれだけではない。
先ほど話した、『同種の物をまとめて、表面上の物の数を減らす』。
これを行うことでも、実質上の物の数を減らすことができる
魔人
この2つを行うことで、カオスな状況をシンプルに変えることができる。

 

魔人
それと、さっき、混沌とした状態をまともに対処しようとすると脳に重い負荷がかかる、という話をしたよな。
しかし、この2つの作業、つまり、『不要な物を処分する』と『同種の物をまとめて、表面上の物の数を減らす』についてはどうだろうか?
それほど深く考える必要はなく、機械的に行えるだろ?
魔人
『不要な物を処分する』については、捨てるかどうかで悩んでしまうことがあるかもしれんが、
例えば、『明らかにいらない物だけ捨てる』という基準で不要な物を分別すれば、大して悩まないだろう。
魔人
要するに、この2つの作業は、悩まずに、坦々とスムーズに進められるものと言える。
魔人
混沌に対してまともに取り組むと苦労するが、機械的な作業でシンプルな状態に変換してしまえばいいんだ。
カイワレ
ゴチャゴチャしているカオスな物を見ると、「うわぁ・・」って思うけど・・、
それでも、とりあえず深く考えずに、不要な物を処分して、種類ごとに分別してビニールバッグとかに入れれば、前進できるってことでしょうか。
魔人
そういうことだ。
こうして数を減らすことで、混沌をシンプルな状態に持っていけば、状況は一変する。
混沌の状態では考えること避けていた脳が、考えることを取り戻すからだ。
魔人
そして、これは実際にやってみればわかることだが、
思考が働くようになるどころか、答えがおのずと出てくるようになる。
何をどうしていけばいいか、自分がどうしたいのか、自然と答えが見えてくるようになるだろう。
こうして状況が前に進むようになる。
魔人
汚部屋の片づけで行き詰ってしまったとき、この言葉を覚えておくといい。
物の数を減らせば事態は動き出す
魔人
物に圧倒されて、どうしていいかわからずに途方に暮れたときは、こうして物の数を減らすことを考えればいい。
それだけで道は開けるだろう。

 

カオスへの対抗策

カイワレ
あの、さっきの話を聞いていてふと思ったんですけど・・。
カイワレ
『不要な物を処分する』と『同種の物をまとめて、表面上の物の数を減らす』、この2つって、以前にどこかで出てきませんでしたっけ?
魔人
ああ。
『収納の中の物の整理』で行うこととして挙げた2点だな。(※1)
実は、収納の整理でも、まったく同じアプローチをとっている

(※1)『収納のあるべき姿とは』参照

魔人
そもそも、
・不要な物を処分する
・同種の物をまとめて表面上の物の数を減らす
この2つとは何なのか?
 
一言でいえば、これは、『カオスへの対抗策』なんだ。
魔人
つまり、収納の中身に対して、この『カオスへの対抗策』を仕掛けることで、
カオスからシンプルに変える、ということをやろうとしている。
魔人
カオスへの対抗策は、何かを整理することにおける基本手段だ。
万能性があって、それほど悩むことなく機械的に進められる手法だ。
魔人
部屋の片づけや整理において、何をしていいかわからなくなって手が止まった時には、カオスへの対抗策を仕掛けられないか考えてみるといいだろう。

 


 

魔人の教え まとめ

  • 混沌な状態を処理することは脳にとって重労働なため、対処を避けようとする傾向があり、物事が前に進みにくい。
  • 分類して入れ物に入れ、パッケージ化することで、表面上の物の個数を減らすことができる。
  • 混沌に対処するための基本方針は『物の数を減らすこと』であり、数を減らすためには『不要な物を処分する』、『同種の物をまとめて、表面上の物の数を減らす』を行えばいい。
  • 物の数を減らせば事態は動き出す。
  • 収納の整理でやろうとしていたことは、収納の中身に対して『カオスへの対抗策』を仕掛けることでシンプルに変えることだった。

 

 


 

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